新規就農にあたり就農地域を考える|大阪と北海道を中心に検討

北海道と大阪の農業イメージを比較した新規就農検討イメージ

農業をやると決めても、どこで始めるかは全然別の問題だ。

気候・農地・作物・流通・販路・生活コスト・初期費用。実際にはかなり地域差があって、「地方に移住して農業」というざっくりしたイメージのまま動くと、後から詰まる可能性が高い。

自分の場合、単に野菜を作りたいわけじゃない。どう売るか、将来どこまで拡大できるか、長く続けられるか、まで含めて考えたい。

そこで地域を整理していくと、今のところ優先して見ているのが「北海道」と「大阪」だ。

この2つ、方向性は大きく違う。でもそれぞれ別の意味で、自分が考えている農業の形と合いそうだと思っている。

目次

なぜ候補地をある程度整理する必要があるのか

新規就農で失敗しやすいパターンのひとつは、「農業がしたい」という気持ちが先走って、場所の条件整理が後回しになることだと思う。

作物の適性、農地の確保しやすさ、流通コスト、販路との距離、初期費用の水準。これは地域によってかなり違う。さらに「どう売るか」まで含めると、選ぶべき地域は絞られてくる。

自分が農業に求めているのは、下記3つ

  • 続けられること
  • 売上を作れること
  • 将来的に直販やD2Cにつなげられること

その軸で考えた時に、今は北海道と大阪を優先して見ている。

北海道を優先候補に見ている理由

北海道の広大な農地と丘陵風景

農地の拡張余地がある

最初から大規模で始める資金はない。ただ、将来的に農地を広げていける可能性は持ちたい。

北海道は平地が多く、農地の区画も大きい。長期で見た時に、中規模・大規模へのスケールアップを描きやすい土地だと感じた。

農業をやるための環境の厚みも違う。肥料・農機・資材の流通が地域内でそれなりに完結しているのは、農業県ならではだと思う。

また、酪農が強い地域も多いため、堆肥などの有機資源も比較的豊富そうに感じた。

「北海道産」というブランドが実際に機能する

北海道産というだけで、一定の価値を感じる消費者は多い。これは農産物に限らず、乳製品でも加工品でも共通している。

もちろん「北海道産なら何でも売れる」は過信だと思う。ただ、直販やECで生産背景を丁寧に伝えていく場合、「北海道」という入口の強さはかなり大きい。

特に今後、将来的に直販や自社販売につなげるにあたり、地域ブランドは無視できないと感じている。

気候の長期優位性がある

本州の夏が年々厳しくなる中で、北海道の相対的な気候優位性は長期的に上がる可能性があると思っている。

北海道でしか作れない作物があること、冷涼な気候が農産物の品質に直結しやすいことは、長く農業をやっていく上で意味が大きい。

逆に、温暖化によって本州側で難しくなる作物も今後増えていく可能性がある。

大阪を優先候補に見ている理由

大阪の都市近郊に広がるぶどう畑の風景

実家がある、という現実

これは感情的な話ではなく、経営的な話だ。

新規就農の最初の数年は、売上が安定しない。その間の生活費と事業費を両立するのは厳しい局面がある。

実家から通える選択肢があるだけで、立ち上がり期のコスト構造がとても変わる。

また、「最悪どうなるか」を考えられるのは、精神的な安定にもつながる。

小規模でも高単価を狙える構造

大阪は農地面積では北海道に遠く及ばない。ただ、消費地に近い分、小規模でも高付加価値型に寄せやすい。

都市近郊の農業は、

  • 直販
  • マルシェ
  • 飲食店への営業
  • 体験農園
  • EC

などと相性が良い。

面積で勝負するというより、「単価」や「ブランド」で勝負できる可能性がある。

大阪のぶどう産地という背景

大阪は、かつてぶどう産地として知名度があった時代がある。

現在は全国的なブランド力こそ落ちているが、それは逆に「まだ知られていない余地がある」とも言える。

山梨・長野のようにブランドが確立された産地に後から入るより、知名度が低い分、自分自身のブランドを作る余地がある。

「実は大阪にこういう農業がある」という見せ方は、ストーリーとして成立しやすいと思った。

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2つの方向性をどう整理しているか

整理すると、今のイメージはこういう対比になる。

項目北海道大阪
規模中〜大規模拡大を視野小規模高収益型
強みブランド・基盤・拡張余地消費地近接・高付加価値・実家
販路EC・札幌市場・本州配送直販・飲食店・マルシェ・EC
リスク生活コスト・冬・孤立農地確保・面積の限界
継承余地が比較的大きい産地集積次第

どちらが正解かはまだわからない。条件や現地の話次第で判断も変わると思っている。

ただ、今の時点でこの2つを優先して見ているのは、「なんとなく」ではなく、自分が考えている農業の形と合いそうだからだ。

まとめ

新規就農を考えていると、「どこで作るか」は単なる土地選びではないと感じるようになった。

何を作るか、どう売るか、何年で軌道に乗せるか、その後どう拡大するか。それらとセットで「どこで作るか」が決まっていく。

大阪と北海道、どちらも簡単ではない。

ただ、それぞれ別方向で「自分が続けられる農業」に近い気がしている。

この先、実際に自治体や現地の農家の人たちと話しながら、もう少し現実ベースで整理していきたい。

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この記事を書いた人

会社員として働きながら、食・産地・地方・農業への解像度を少しずつ上げていく記録を発信しています。

直売所や地方の空気、食材、生産背景、新規就農について考えたことを中心にまとめています。

都市生活や暮らしの工夫については「Field Note Life」でも発信しています。

https://fieldnote-life.com/

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