労働集約型か土地利用型か
農業を調べ始めた頃は、作物ばかり見ていた。
しかし調べていくうちに、最初に考えるべきは作物よりも経営スタイルなのかもしれないと思うようになった。
農業には大きく、
- 労働集約型農業
- 土地利用型農業
がある。
土地利用型農業は広い面積を使って規模で収益を作るスタイルだ。ただ大阪は農地面積が限られており、新規就農で大規模な土地を確保するのは容易ではない。
そのため、自分はまず大阪で農業をするなら労働集約型農業を前提に考えることにした。
加えて大阪は大消費地に近い。収穫したものをその日のうちに届けられる都市近郊農業の強みは、労働集約型と組み合わせたときに特に活きる。

野菜か果樹か
労働集約型農業の中でも選択肢は多い。
トマト、きゅうり、ほうれん草など、需要の大きい野菜はいくつもある。
もちろん野菜を否定するつもりはない。
実際に需要は大きく、直売やブランド化に成功している農家も多い。
ただ調べていて気になったのは、一般的な野菜は市場価格の影響を受けやすい点だった。
大規模法人や産地との競争もある。
どこで差を付けるかを考えたとき、自分には少し難しく感じた。
一方で果樹は嗜好品としての性格が強く、品種や栽培方法によって価格差が付きやすい。
もちろん果樹だから高く売れるわけではないが、自分は果樹の方が価値を作る余地が大きいように感じた。
果樹の中で、なぜぶどうなのか
果樹といっても、
- ぶどう
- 桃
- みかん
- 梨
など様々ある。
その中でぶどうを有力候補として考えているのは、大阪との相性が大きい。
大阪のぶどう栽培の歴史は明治時代にさかのぼる。
南河内地域を中心に産地が形成され、昭和10年頃には栽培面積が全国一になった時期もある。
現在も大阪府のぶどう収穫量は全国8位、栽培面積は全国9位となっている。
主力品種のデラウェアに限ると栽培面積は全国3位だ。
かつて全国有数の産地だった歴史があり、その蓄積が今も形を変えながら残っている。
産地があるということは、
- 技術を学びやすい
- 相談先がある
- 出荷先がある
- 行政支援の対象になりやすい
という意味でも大きい。
後発で入る場合の入り口として悪くないと判断した。
直売に切り替えるにしても、全量を自分で販売しきれなかった場合はJA出荷という選択肢を残せる。
新規就農者にとって、これは小さくない安心材料だと思っている。

都市近郊農業との相性が良い
大阪で農業をする強みは、近くに大きな消費地があることだ。
ぶどうは
- 直売所
- 観光農園
- 贈答用
- EC販売
など販路の取り方が多い。
市場を通さず売れれば、その分手元に残る利益も変わってくる。
また将来的には、大阪産ぶどうとして販売する余地もあると思っている。
都市近郊農業だからこそ活かせる強みは少なくない。
事業承継という選択肢がある

ぶどう栽培の大きな課題は、植えてすぐ収穫できないことだ。
新植の場合、初収穫まで数年かかり、その後も収量が安定するまで時間が必要になる。
その間は収入が限られ、棚や設備への投資も重なる。
ただ大阪ではぶどう農家の高齢化も進んでいる。
行政の支援制度や第三者継承の仕組みを活用できれば、棚・農地・設備を引き継げる可能性もある。
もちろん簡単な話ではない。
それでもゼロから始める場合と比べると、初期投資リスクは大きく変わる。
それでも、ぶどうだけで良いのかは悩んでいる
一方で、ぶどうは収穫時期が集中しやすい。
収入も特定の季節に偏る。
経営として安定させるなら、
- いちご
- にんにく
- 加工品
- 観光農園
などとの組み合わせも検討する必要があると思っている。
今のところ大阪ではぶどうが最有力候補だ。
ただし、ぶどう単体で完結させるかどうかはまだ答えが出ていない。
まとめ
経営スタイルから考え、労働集約型に絞り、野菜より果樹、果樹の中でぶどうという順番で考えてきた。
現時点では、それが自分の中で一番筋の通った結論だと思っている。
ただ、これはあくまで会社員が机の上で考えた仮説だ。
実際に現地を見て、農家と話して、数字を確認して、変わる部分は変えていく。
今後、研修や就農相談を進める中で考えが変わるかもしれない。
その過程もこのサイトで記録していきたいと思う。

