秋田県といえば「あきたこまち」などの米どころというイメージが強い。
私もその程度の認識だった。
しかし調べてみると、秋田県の食料自給率は本州で最も高く、北海道に次ぐ全国2位だった。
なぜ秋田県だけここまで高いのだろうか。
今回は、農林水産省などの公表データをもとに、その理由を整理してみた。
まず結論
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 食料自給率(カロリーベース) | 202% |
| 全国順位 | 2位 |
| 本州順位 | 1位 |
| 主な農産物 | 米 |
| 農業産出額に占める米の割合 | 51%(全国平均15%) |
秋田県は、県内で消費する食料の約2倍を生産している計算になる。
全国平均が38%であることを考えると、非常に高い水準だ。
秋田県の食料自給率は本州トップ、全国では北海道に次ぐ2位

農林水産省によると、令和5年度の秋田県の食料自給率(カロリーベース)は202%。
全国では北海道の213%に次ぐ2位となっている。
北海道は都道府県別ランキングで別枠として扱われることも多いため、本州だけで見ると秋田県が最も高い食料自給率となる。
県内で消費する食料を十分にまかなえるだけでなく、県外へ供給する力も持っていることが、この数字から分かる。
なぜここまで高いの?
理由は一つではない。
大きく分けると、
- 人口が少ない
- 米の生産量が非常に多い
- 農業が米に特化している
この3つが重なっている。
また、食料自給率はカロリーベースのため、主食となる米等のカロリーが高いものを作ると高くなる傾向もあるので、
覚えておくとよい。
最大の理由は「人口の少なさ」と「米への集中」

食料自給率は、生産量だけで決まる指標ではない。
「どれだけ作るか」と同時に、「どれだけ消費するか」も大きく影響する。
秋田県の推計人口は、2024年10月時点で約89万7千人。
2017年に100万人を下回って以降も人口減少が続いており、人口規模は全国でも小さい。
一方で、令和6年産の米の収穫量は約49万トン。
全国では新潟県、北海道に次ぐ3位となっている。
さらに特徴的なのが、農業の中身だ。
農林水産省によると、秋田県の農業産出額のうち51%が米で占められている。
全国平均は15%なので、秋田県がいかに米づくりへ特化しているかが分かる。
つまり、「少ない人口」で「多くの米」を作っている。
この構造が、高い食料自給率につながっている。
秋田の米は県外の食卓も支えている
年間約49万トンもの米を、人口90万人弱の秋田県だけで消費することはできない。
実際には、その多くが首都圏や関西圏など全国へ出荷されている。
スーパーで見かける「あきたこまち」も、その一つだ。
食料自給率が高いということは、秋田県民の食料をまかなえているだけではない。
全国の食卓を支える産地でもあるという意味を持っている。
もし秋田県の米づくりが縮小したら
秋田県は全国有数の米どころだ。
そのため、仮に担い手不足や大規模な不作によって生産量が大きく減少すれば、日本全体の米の供給にも影響する可能性がある。
もちろん、すぐに全国的な米不足になるという話ではない。
しかし、一つの県の生産動向が全国の食料供給に影響を与えるほど重要な産地であることは間違いない。
なぜ秋田県は米づくりに適しているの?
秋田県には広い平野と豊富な水資源があり、水稲栽培に適した自然条件がそろっている。
さらに、夏は十分な気温を確保しながら昼夜の寒暖差もあるため、おいしい米が育ちやすい環境だとされている。
北海道が小麦やじゃがいも、てん菜など複数の畑作を組み合わせた農業なのに対し、秋田県は歴史的に米づくりを中心に発展してきた。
この違いが、本州トップクラスの食料自給率という数字にも表れている。
調べて思ったこと
調べる前は、「秋田県は米どころ」というイメージしかなかった。
しかし実際には、本州で最も高い食料自給率を誇り、日本の米づくりを支える重要な産地でもあった。
食料自給率202%という数字の背景には、人口だけではなく、長年積み重ねてきた米づくりの歴史や自然条件がある。
数字だけを見ると「食料自給率が高い県」で終わってしまうが、その中身まで見ていくと、秋田県の農業の特徴がよく分かるテーマだった。
出典・参考資料
- 農林水産省「令和5年度 食料自給率」
- 農林水産省「令和6年産 水陸稲の収穫量」
- 農林水産省「農業産出額」
- 総務省「人口推計(2024年10月1日時点)」
