農家が飲食店とつながるには?マッチングサービスと自治体支援を調べてみた

農家が飲食店とつながる方法としてマッチングサービスや自治体支援を紹介するイメージ
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農産物を飲食店へ直接販売したいと思ったとき、多くの人は自分で営業する方法を思い浮かべるかもしれない。

私自身も、最初は電話や訪問で営業するしか方法がないと思っていた。
しかし調べてみると、農家と飲食店をつなぐマッチングサービスや、自治体が開催する商談会など、営業以外にも飲食店と出会う方法があることが分かった。

一方で、一般消費者向けの産直ECと比べると、飲食店向けのマッチングサービスは決して多くない。それぞれ仕組みや特徴が異なるため、自分の販売スタイルに合った方法を選ぶことが重要だと感じた。

この記事では、全国で利用できる代表的なマッチングサービスと、大阪府・北海道・東京都が行っている農業者向けの支援制度を紹介する。

目次

全国で利用できるマッチングサービス

飲食店向けのマッチングサービスは数こそ多くないものの、それぞれ特徴が異なる。まずは代表的な3つを比較してみる。

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サービス登録料月額手数料・費用特徴
食べチョクPro無料無料商品代・送料(飲食店側負担)コンシェルジュが条件に合う生産者を紹介
REACH STOCK無料無料野菜15%、肉・魚10%生産者が商品を登録し、飲食店が直接注文
ベジマチ無料無料商談まで無料国の機関が運営する野菜専門マッチングサイト

どれも登録料・月額費用はかからないが、マッチングの仕組みや取引方法は大きく異なる。

食べチョクPro(株式会社ビビッドガーデン)

食べチョクProは、個人向け産直EC「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデンが提供する、飲食店向けサービスだ。

通常の食べチョクとは異なり、飲食店が希望する食材や数量、納品エリアなどを伝えると、担当者(コンシェルジュ)が条件に合う生産者を紹介してくれる。

「人参が欲しい」といった具体的な依頼だけでなく、「サラダに使える野菜を探している」といった相談にも対応している。

基本情報

項目内容
運営会社株式会社ビビッドガーデン
対象飲食店・法人
登録費用無料
月額費用無料
発生する費用商品代金・送料(注文内容による)
利用開始仮登録・審査後に利用開始

送料はエリアや注文量によって異なる。また、サイトに掲載されていない食材でも、相談内容によっては条件に合う生産者を探してもらえる場合がある。

有機栽培や特別栽培など、栽培方法にこだわる生産者も多く登録しており、品質やストーリーを重視する飲食店との相性が良いサービスと言えそうだ。

メリット

  • 自分で飲食店を探す手間を減らせる
  • 希少品種やこだわりの農産物を提案しやすい
  • コンシェルジュへ相談しながら進められる

デメリット

  • 利用には審査がある
  • 個人利用や単発イベント向けではない
  • 自由に商品を掲載して販売するサービスとは仕組みが異なる

REACH STOCK(株式会社USEN)

REACH STOCKは、USENグループが運営する飲食店向け産直マッチングサービスだ。

食べチョクProとは異なり、生産者自身が商品を登録し、価格を設定する。飲食店側はサイト上から商品を検索し、そのまま注文できる仕組みになっている。

USENグループが持つ飲食店ネットワークを活かしている点も特徴で、自分で商品の魅力を発信しながら販売したい農家に向いている。

基本情報

項目内容
運営会社株式会社USEN
対象飲食店・生産者
登録費用無料
月額費用無料
販売手数料野菜15%、肉・魚10%
入金月末締め・翌月末払い

生産者は商品の写真だけでなく、栽培方法やこだわりなども紹介できる。

価格を自分で設定できるため、ブランド力を活かした販売もしやすい。

メリット

  • 登録・月額費用が無料
  • 自分で価格を決められる
  • 飲食店へ直接アピールできる

デメリット

  • 販売時に手数料が発生する
  • 商品ページを自分で作成する必要がある
  • 発送や在庫管理は自分で行う必要がある

ベジマチ(独立行政法人 農畜産業振興機構)

ベジマチは、独立行政法人農畜産業振興機構(alic)が運営する、国産野菜専門のマッチングサイトだ。

食べチョクProやREACH STOCKとの大きな違いは、「販売サイト」ではなく「商談の場」を提供していることにある。

登録した生産者と飲食店、ホテル、食品メーカー、卸売業者などがサイト内で直接やり取りを行い、商談を進める仕組みになっている。

基本情報

項目内容
運営独立行政法人農畜産業振興機構(alic)
対象品目国産野菜
登録費用無料
月額費用無料
商談方法サイト内メッセージ機能
決済・配送商談成立後は当事者同士で対応

登録から商談までは完全無料で利用できる。

販売後の決済や配送は自分たちで行う必要があるものの、まずは商談の機会を増やしたい農家には利用しやすいサービスと言える。

メリット

  • 登録から商談まで完全無料
  • 国の機関が運営している安心感がある
  • 飲食店だけでなくホテルや食品メーカーともつながれる

デメリット

  • 決済や配送は自分で対応する必要がある
  • 商談成立後の契約や請求も当事者同士で進める
  • 野菜以外の品目は対象外

自治体による農業者と飲食店のマッチング支援

自治体による農業者と飲食店のマッチング支援のイメージ

全国で利用できるマッチングサービスだけでなく、自治体が農業者と飲食店、食品関連事業者をつなぐ取り組みを行っている地域もある。

商談会や交流会、販路開拓の相談会など内容はさまざまだが、地域の飲食店やバイヤーと直接話せる機会になることも多い。就農予定地が決まっている場合は、一度確認してみる価値がありそうだ。

大阪府

大阪府では、「大阪農業つなぐセンター」を中心に、新規就農相談だけでなく販路開拓支援も行われている。

その一つが「農業者と食品関連事業者のマッチング交流会」だ。スーパーのバイヤーや飲食店、食品関連企業などが参加し、生産者が直接商談できる機会が設けられている。

大阪産(もん)のPRイベントや商談会が開催されることもあり、府内で販路を広げたい農家にとって活用しやすい支援制度と言えそうだ。

主な支援内容

項目内容
主な窓口大阪農業つなぐセンター
対象大阪府内の農業者・新規就農希望者など
支援内容マッチング交流会、商談会、販路開拓相談など
費用多くは無料(事前申込制)

北海道

北海道では、道全体だけでなく地域ごとにも商談会が開催されている。

代表例として、公益財団法人北海道中小企業総合支援センターによる「食のビジネスマッチング」がある。農業者や食品事業者が全国のバイヤーや商社などと商談できる場として活用されている。

また、十勝など地域単位でも商談会が開催されることがあり、地域の飲食店や食品事業者と出会う機会になっている。

主な支援内容

項目内容
主な窓口北海道中小企業総合支援センターなど
対象農業者・食品関連事業者
支援内容商談会、ビジネスマッチング、販路開拓支援
費用多くは無料

東京都

東京都では、「チャレンジ農業支援センター」を通じて販路開拓支援が行われている。

専門家による経営相談だけでなく、「販路開拓ナビゲータ」による支援も行われており、小売店や飲食店との新たな取引先づくりをサポートしている。

都内には飲食店が多いため、東京産農産物を取り扱いたい事業者とのマッチングが期待できる点も特徴だ。

主な支援内容

項目内容
主な窓口チャレンジ農業支援センター
対象東京都内の農業者など
支援内容販路開拓相談、専門家派遣、商談支援
費用多くは無料

調べて感じたこと

調べる前は、飲食店へ販売したいなら自分で営業するしか方法がないと思っていた。

しかし実際には、全国で利用できるマッチングサービスや、自治体が開催する商談会・交流会など、飲食店と出会うきっかけはいくつか用意されていることが分かった。

一方で、全国規模のマッチングサービスは決して多くなく、地域によっては自治体の支援の方が活用しやすいケースもありそうだ。

就農する地域が決まったら、栽培方法や販売方法だけでなく、その地域で利用できる販路開拓支援も一度調べてみたいと感じた。

まとめ

農家が飲食店とつながる方法は、自分で営業するだけではない。

食べチョクProやREACH STOCK、ベジマチなどのマッチングサービスを利用したり、自治体が開催する商談会や交流会へ参加したりすることで、新しい取引先と出会える可能性がある。

サービスごとに仕組みや特徴は異なるため、自分の販売スタイルや経営規模に合った方法を選ぶことが大切だ。

また、自治体によって支援内容は大きく異なる。就農予定地が決まっている場合は、「〇〇県 農業 商談会」「〇〇県 農産物 販路開拓」などで検索すると、地域独自の支援制度が見つかることもある。

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この記事を書いた人

Field Note Farmのアバター Field Note Farm 東京で暮らす会社員

会社員として働きながら、食・産地・地方・農業への解像度を少しずつ上げていく記録を発信しています。

直売所や地方の空気、食材の生産背景、新規就農について調べたことや考えたことを中心にまとめています。

将来的な新規就農を目指しながら、農業体験や自治体相談、地域研究を続けており、その過程も記録しています。

都市生活や暮らしの工夫については「Field Note Life」でも発信しています。

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