農家がJA以外で野菜を売る方法|スーパー・飲食店・道の駅・マルシェ・直売所を比較

JA以外の農家の販売方法を紹介するアイキャッチ画像
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農家が野菜を販売する方法は、JA出荷だけではない。スーパーや飲食店への直接販売、道の駅、マルシェ、自社直売所など、リアルな販売の場だけでもいくつかの選択肢がある。

調べる前は「JAを通さない方が利益が増える」というイメージがあった。しかし実際は、JAが担っていた営業や集客、販売管理などを自分で行う必要があり、販売価格だけでは比較できないことが分かった。

この記事では、代表的な5つの販売方法を比較し、それぞれの特徴を紹介する。
ネット販売(自社EC・ECモール・産直EC・ふるさと納税)については別記事で取り上げる予定だ。

目次

JA以外の販売方法を比較する

スクロールできます
販売先営業の必要性集客の主体価格決定主な費用
スーパー自分で営業店舗店舗と協議配送費・営業コスト
飲食店・ホテル自分で営業店舗農家と店舗で協議配送費・営業コスト
道の駅登録・申請施設自分で決める販売手数料(目安15〜20%程度※)
マルシェ・イベント応募主催者自分で決める出店料・運搬費
自社直売所不要自分自分で決める店舗整備費・維持管理費

※道の駅・直売所の販売手数料は施設ごとに異なります。目安として15〜20%程度の施設が見られますが、利用前に各施設へご確認ください。

スーパーへ直接販売する

青果店の店頭に並ぶ野菜

営業

スーパーへ直接販売する場合は、自分で営業して取引先を探すのが基本となる。

地域密着型スーパーへの営業が中心になるが、大手スーパーでも地場野菜コーナーや地域特産品コーナーを設け、地元農家と直接取引している店舗もある。

ただし、営業すれば必ず取引できるわけではない。バイヤーが求める品目や数量、規格に合わなければ採用されないこともあるため、まずは近隣店舗の売場を見て、どのような野菜が並んでいるのかを確認してみるのがおすすめだ。

集客

集客は基本的にスーパー側が行う。

農家自身が広告を出したりSNSで宣伝したりする必要は少ないが、生産者紹介やPOPを活用して商品の特徴を伝えられる店舗もある。

価格

価格は店舗との協議で決まることが多い。

希望価格を提示できる場合もあるが、店頭には他産地や他農家の商品も並ぶため、相場を意識した価格設定が重要になる。

手数料・費用

道の駅や産直ECのような販売手数料は基本的に発生しない。

一方で、配送費や営業にかかる時間、納品のための人件費などは農家側の負担となる。

メリットデメリット
継続取引につながりやすい営業活動が必要
店舗が集客してくれる品質・数量の安定供給が求められる
地域で認知されやすい納品ルールへの対応が必要

飲食店・ホテルへ直接販売する

飲食店へ野菜を納品する様子

営業

基本は自分で営業して取引先を探す。

一方で、マルシェで購入した料理人から連絡を受けたり、SNS経由で問い合わせが来たりするケースもある。また、自治体によっては農家と飲食店をつなぐマッチング事業を実施していることもある。

例えば大阪府では、農業者と飲食店などをつなぐ取り組みが行われている。

集客

集客は基本的に飲食店やホテル側が行う。

一度取引が始まれば、継続的な納品につながるケースも少なくない。

価格

価格は農家と店舗が相談して決めることが多い。

スーパーより自由度が高く、希少品種や旬の野菜など、付加価値が評価されるケースもある。また、一度に必要な数量はスーパーほど多くない場合もあり、少量多品目の農家でも取引しやすいことがある。

手数料・費用

販売手数料は基本的に発生しない。

ただし、営業や配送は農家自身が行うため、その時間やコストは考慮する必要がある。

メリットデメリット
価格を決めやすい営業活動が必要
ブランド化につながりやすい高品質な野菜が求められる
継続契約になることもある納品条件への対応が必要

道の駅で販売する

道の駅の農産物直売所

営業

道の駅の直売所は、地域農家の出荷を受け付けている施設が多く、スーパーや飲食店のように営業活動を行う必要は少ない。

利用登録や出荷ルールの確認は必要だが、比較的始めやすい販路と言える。

集客

集客は施設側が行う。

観光客や地元住民が来店するため、自分で広告を出さなくても販売の機会を得られる。

価格

価格は自分で決められる施設が多い。

ただし、同じ売場には他の農家の商品も並ぶため、相場から大きく離れた価格設定では売れにくくなることもある。

一方で、消費者の反応を直接見ながら価格や商品構成を調整できる点は、JA出荷にはない特徴だ。

手数料・費用

販売手数料は施設ごとに異なるが、目安として15〜20%程度としている施設も見られる。

また、売れ残った商品は農家が持ち帰る委託販売方式を採用している施設もあるため、利用前に販売方法や手数料を確認しておきたい。

メリットデメリット
比較的始めやすい販売手数料が必要
消費者へ直接販売できる売上は来店者数に左右される
地元で認知されやすい売れ残りは回収が必要な施設もある

マルシェ・イベントへ出店する

農産物を販売するマルシェ会場

営業

マルシェやイベントでは、自分で開催情報を調べて応募するのが基本となる。

イベントごとに「地元農産物限定」「オーガニック限定」などテーマや出店条件が決められていることも多く、それに合わせた商品や販売方法を準備する必要がある。

集客

基本的な集客は主催者が行う。

一方で、自分のSNSやホームページで出店を告知すると、既存のお客様にも来てもらいやすくなる。

価格

価格は基本的に自分で決められる。

消費者と直接会話しながら販売できるため、栽培方法や品種の特徴なども伝えやすく、商品の価値を理解してもらいやすい販路だ。

手数料・費用

イベントによって出店料が必要になる。

また、商品やテント、机、レジ用品などを自分で準備・運搬するケースも多く、販売以外の準備にも時間がかかる。

売上だけを目的にするのではなく、新しいお客様や飲食店との出会い、SNSのフォロワー獲得など、その後の販路拡大につながる場として活用している農家も少なくない。

メリットデメリット
消費者と直接話せる出店準備や運搬が必要
ファンづくりにつながる天候の影響を受けることがある
飲食店や新規顧客との出会いにつながる定期的な売上は作りにくい

自社直売所で販売する

農家の直売所で販売されるぶどう

営業

自分の農園や店舗で販売するため、営業活動は基本的に必要ない。

ただし、農地に直売所を設置する場合は、地域によって必要な手続きが異なることがあるため、事前に自治体へ確認しておきたい。

集客

集客はすべて自分で行う。

口コミやSNS、Googleマップへの登録、看板の設置など、継続的な情報発信が集客につながる。

価格

価格は自由に設定できる。

販売手数料がほとんど発生しないため、ブランドとして認知されれば、他の販路より高い価格で販売できる可能性もある。

手数料・費用

販売手数料は基本的に発生しない。

一方で、店舗や駐車場の整備、維持管理費、接客にかかる時間などは自分で負担する必要がある。

メリットデメリット
手数料を抑えやすい集客を自分で行う必要がある
自由に価格を決められる店舗整備や維持管理費がかかる
リピーターを増やしやすい接客や店舗運営も必要になる

自分に合った販売方法を選ぶには

販売方法に正解はなく、何を重視するかによって向いている販路は変わる。

重視したいこと販売方法の例
安定した販路を確保したいスーパーへの直接販売・JA出荷
希少品種やブランドを活かしたい飲食店・ホテル、自社直売所
地元のお客様へ販売したい道の駅、自社直売所
消費者と直接交流したいマルシェ・イベント
自由に価格を決めたい道の駅、マルシェ、自社直売所

※あくまで一般的な傾向です。実際には地域や作物、契約内容によって適した販売方法は異なります。

調べて感じたこと

調べる前は、「JAを通さなければ利益が増える」と単純に考えていた。

しかし実際は、JAが担っていた営業や集客、販売管理を自分で行う必要があり、販売価格だけでは比較できないことが分かった。

また、道の駅でも販売手数料がかかり、スーパーや飲食店へ直接販売する場合でも営業や配送の負担が発生する。
つまり、「JAよりこちらの方が得」と単純に言えるものではなく、それぞれが違う役割を担っていることを知ることができた。

販売方法にはそれぞれメリットとデメリットがあり、一つだけを選ぶ必要もない。
JA出荷を中心にしながら一部を道の駅で販売したり、飲食店への納品とマルシェを組み合わせたりするなど、自分の経営規模や作物に合わせて販路を組み合わせている農家も多い。

まとめ

JA以外にも、農家が野菜を販売できる方法は数多くある。

スーパーや飲食店との直接取引は継続的な販路になりやすく、道の駅やマルシェでは消費者の反応を直接知ることができる。自社直売所は自由度が高い一方で、集客や店舗運営も自分で行う必要がある。

どの販売方法にも特徴があり、「一番良い販路」があるわけではない。営業に使える時間、作物の種類、目指す経営スタイルなどを踏まえ、自分に合った販路を選ぶことが、長く農業を続けていくうえで大切だ。

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この記事を書いた人

Field Note Farmのアバター Field Note Farm 東京で暮らす会社員

会社員として働きながら、食・産地・地方・農業への解像度を少しずつ上げていく記録を発信しています。

直売所や地方の空気、食材の生産背景、新規就農について調べたことや考えたことを中心にまとめています。

将来的な新規就農を目指しながら、農業体験や自治体相談、地域研究を続けており、その過程も記録しています。

都市生活や暮らしの工夫については「Field Note Life」でも発信しています。

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