てんさい糖ときび糖の違いは?てんさい・さとうきびから比較してみた

てんさい糖ときび糖の原料や産地の違いを比較したイメージ
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てんさい糖ときび糖は、どちらも砂糖だが、原料になる植物はまったく違う。

てんさい糖の原料は、北海道で栽培されるてんさい(ビート)

きび糖の原料は、沖縄県や鹿児島県などで栽培されるさとうきびだ。

砂糖と聞くと「さとうきび」のイメージが強かったが、北海道の農業について調べていると、てんさいという作物が何度も登場した。

さらに調べると、国内で作られる砂糖の約77%はてんさい由来で、さとうきび由来よりも多い。

この記事では、

  • てんさい糖ときび糖の違い
  • てんさいとさとうきびの違い
  • てんさいとビートは何が違うのか
  • 主な産地
  • 砂糖の作り方
  • 価格
  • 国内生産量

を公表データをもとに整理する。

目次

結論|てんさい糖ときび糖は「原料」と「産地」が大きく違う

スクロールできます
比較項目てんさい糖きび糖(さとうきび由来)
原料てんさい(ビート)の根さとうきびの茎
主な産地北海道沖縄県・鹿児島県
栽培地域寒冷地温暖・亜熱帯
糖分の取り出し方温水で抽出圧搾して搾る
国内産砂糖の割合約77%約23%
価格やや高めの商品が多い商品によって異なる

どちらも最終的には砂糖になるが、原料や産地、栽培される地域には大きな違いがある。

てんさいとさとうきびの違い|ビートとてんさいは同じもの

てんさい糖ときび糖の違いを理解するには、まず原料となる植物を見ると分かりやすい。

てんさいは「ビート」「砂糖大根」とも呼ばれる作物で、ビートとてんさいは基本的に同じ植物を指す。

見た目は大根やかぶに近く、地下に育つ大きな根に糖分を蓄える。

一方、さとうきびはイネ科の植物で、地上に伸びる太い茎に糖分を蓄える。

比較てんさい(ビート)さとうきび
主に糖分が蓄えられる部分
主な国内産地北海道沖縄県・鹿児島県
向いている気候冷涼温暖・亜熱帯
砂糖の取り出し方根から温水で抽出茎を圧搾

同じ砂糖の原料でも、寒い北海道で育つ根菜型のてんさいと、暖かい南西諸島で育つさとうきびでは、植物としてかなり性質が違う。

日本で使われる砂糖は、実は国産だけではない

最初に驚いたのがここだった。

私は「日本で使われる砂糖の多くは国内で作られている」と思っていたが、実際は違った。

農畜産業振興機構が公表している「令和7砂糖年度需給見通し」によると、日本の年間砂糖消費量は約178.6万トン。一方、国内産砂糖の供給量は約63万トンとなっている。

項目数量
日本の砂糖消費量約178.6万トン
国内産砂糖供給量約63万トン
その他(輸入糖など・概算)約115万トン

つまり、日本で使われる砂糖の多くは輸入原料を使った砂糖などによって支えられている。

そのため、「国内で生産される砂糖」と「日本で流通している砂糖」は分けて考える必要がある。

国内で作られる砂糖は「てんさい」が約77%

国内産砂糖だけを見ると、割合は大きく変わる。

国内産砂糖生産量(令和7砂糖年度見通し)構成比
てんさい由来約48.7万トン約77%
さとうきび由来約14.3万トン約23%

つまり、日本国内で作られる砂糖の約4分の3は北海道のてんさいから作られている。

私も調べるまでは「砂糖=さとうきび」というイメージだったので、この数字は意外だった。

それでも「てんさい糖」をあまり見かけないのはなぜ?

北海道のてんさい畑で収穫作業を行うトラクター

ここで疑問が浮かんだ。

国内で作られる砂糖の約77%がてんさい由来なら、スーパーでもてんさい糖をもっと見かけてもよさそうだ。

理由の一つは、日本で流通する砂糖の多くが国内産ではなく、輸入原料を使った砂糖も多いことにある。

さらに、スーパーで販売されているてんさい糖は、一般的な上白糖より価格が高めの商品が多い。一方、さとうきび由来の砂糖は輸入原料も活用されているため、比較的手頃な価格の商品も多く流通している。

そのため、国内生産ではてんさいが主流でも、店頭でよく見かける砂糖とは必ずしも一致しないことが分かった。

てんさいとさとうきびはどこで作られている?

原料になる作物も、育つ場所がまったく異なる。

作物主な産地令和6年産生産量
てんさい北海道約348万トン
さとうきび沖縄県(鹿児島県でも栽培)約84.5万トン

北海道では、小麦やじゃがいも、豆類などと組み合わせた輪作体系の中で、てんさいが基幹作物の一つとなっている。

一方、沖縄県や鹿児島県では、さとうきびが地域農業を支える重要な作物として栽培されている。

作り方はどう違う?

砂糖になるまでの工程は、最初だけが異なる。

工程てんさい糖きび糖
原料
糖分の取り出し方温水で抽出圧搾して搾る
ろ過・精製共通共通
結晶化共通共通

違うのは糖分を取り出す方法までで、その後の精製や結晶化の工程はほぼ共通だ。

値段はどれくらい違う?

スーパーやネットショップを見ると、てんさい糖は上白糖より高めの商品が多い。

スクロールできます
商品例内容量実売価格の目安1kg換算
上白糖1kg約200円台前半約200円台前半
ホクレン てんさい糖650g約460円前後約710円
きび糖商品による商品による商品による

※価格は2026年7月時点の通販価格などを参考にした目安であり、販売店や時期によって変動する。

もちろん商品やメーカーによって価格は異なるが、一般的にはてんさい糖やきび糖は上白糖より高価格帯になることが多い。

てんさい糖は体にいいと言われるのはなぜ?

てんさい糖について調べていると、「オリゴ糖が含まれている」「体にやさしい」と紹介されていることが多い。

実際、一部の商品には天然由来のオリゴ糖が含まれているものもある。

ただし、含有量や製法は商品によって異なり、「てんさい糖だから健康に良い」と一概には言えない。

健康面だけで選ぶのではなく、味や価格、用途も含めて選ぶことが大切だと感じた。

調べて感じたこと

調べる前は、「砂糖=さとうきび」「北海道はじゃがいもや小麦のイメージ」という程度の認識だった。

しかし実際には、日本国内で作られる砂糖の多くは北海道のてんさいから生産されており、その一方で、日本で流通する砂糖全体を見ると輸入原料も大きな役割を担っていることが分かった。

国内での生産量が多いことと、スーパーでよく見かけることは必ずしも一致しない。その背景には輸入原料や価格の違いなど、流通の仕組みも関係している。

普段何気なく使っている砂糖でも、統計を見てみると、生産地や流通の仕組みは想像していたものとは少し違っていた。身近な食品からでも、日本の農業の特徴が見えてくるテーマだと感じた。

まとめ

  • てんさい糖は北海道、きび糖は沖縄県・鹿児島県が主な原料産地
  • 日本で使われる砂糖の多くは輸入原料なども含まれる
  • 国内産砂糖だけを見ると約77%がてんさい由来
  • 作り方は糖分を取り出す工程が異なり、その後はほぼ共通
  • てんさい糖は上白糖より高価格帯の商品が多い
  • 砂糖からも地域ごとの農業や流通の特徴が見えてくる

出典

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この記事を書いた人

Field Note Farmのアバター Field Note Farm 東京で暮らす会社員

会社員として働きながら、食・産地・地方・農業への解像度を少しずつ上げていく記録を発信しています。

直売所や地方の空気、食材の生産背景、新規就農について調べたことや考えたことを中心にまとめています。

将来的な新規就農を目指しながら、農業体験や自治体相談、地域研究を続けており、その過程も記録しています。

都市生活や暮らしの工夫については「Field Note Life」でも発信しています。

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